大判例

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東京高等裁判所 昭和55年(ツ)83号 判決

民法一八六条一項の定める占有者の「所有ノ意思」、「善意」、「平穏」、「公然」の推定は、他の規定において、これらを要件事実と定めている場合に、その主張・立証責任を転換し反対事実について相手方に主張・立証責任を負担させる規定である、と解すべきである。したがって、同法一六二条一項の規定により物の所有権の取得を主張する者は、二〇年間他人の物を占有した事実を主張すれば足り、所有の意思等その余の事実の存在することについて主張・立証することを要しないのである。そして、原審もまた、右と同じ見地に立って、被上告人の占有がその所有の意思に基づくものでないことを本訴の抗弁(反訴については再抗弁となる。)として構成して摘示し、これを認めるに足りる証拠がないとして排斥しているのであって、原判決に所論の違法はない。

(小林 吉井 河本)

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